2011年4月21日木曜日

『愛のむきだし』を見た。




『愛のむきだし』を見た。
冷たい熱帯魚』の園子温監督。
あたしはもう彼のファンだ。



『冷たい熱帯魚』もそうだったけれど『愛のむきだし』も家族を描く。
簡単に切れない関係。
切ったと思っていても根本からは切れない関係。
結局、そこからは逃れられないのだ。
家族だから脅され、家族だからあきらめ、家族だからとんでもないことをするのだ。



人は許されるのが本当に本当に好きな生き物だから、罪の意識を持ち、懺悔し、許しを乞うのだ。
罪を抱えて誰にも許しを乞わずに生きる決意をするか、そもそも罪悪感を持たないようにするかだが、それにはかなりの覚悟が必要だから。
許されることができたなら、楽になれるもの。



言葉は疲れているときに響くし、新興宗教に生きる人たちは詳しくはよくわからないけれど疲れ切った人たちなのではないだろうか。
物事の理由を経緯をみんな知りたがるもの。
それを宗教の世界にあてはめてしまえれば、きっと救われる。
いいか悪いかは別として、必要な人もいる事実。



「最後に残るのは、信仰・希望・愛。そのうち最も優れているのは愛」という台詞があって、それは新約聖書に書かれている言葉なのだけれどはじめて聖書を読んだ私が笑った言葉。
「キリスト!信仰より愛なのかよ!」って。
でも、それを読んで妙にキリストがかっこよく見えたことを思い出した。
大学で『映画とキリスト教』という講義を受けていて、牧師でもある教授が選んだ映画作品を授業までに鑑賞して、キリスト教と関連させて解説してくれるんだけれどいつだって「それが愛なんです」で講義は締めくくられた。
「キリスト教を信仰しましょう!」「教会に行きましょう!」とは一度も言わなかった。
キリストってなんだかジョン・レノンみたいだと思ったのを思い出した。



私はまた園監督に生命力を沸かせられた。
絶望。どこにも1ミリたりとも救いのない状態。
その景色を思い出す。生きる選択をしたことを思い出す。
ドクドク。心臓の音が聞こえる。



来年には『ヒミズ』が公開されるようです。
原作、大好きなので楽しみ。

6 件のコメント:

  1. おれは、この監督を知らないし、家族とか愛とかについて、コメントを書けるほど考えを確立していないし、正直、よく分かりません。

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  2. >匿名さんへ


    さんきゅ♪

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  3. >PC_OTAさんへ


    了解♪

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  4. 園子温です。ありがとう。

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  5. >ソノシオンさんへ


    ・・・大好きです。
    キスしてください。

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